インタビュー

【丸山裕理】取材でつながる、世界を届ける。

経済番組などのフリーアナウンサーとして活躍する丸山さん。パラスポーツへの関心からスポーツジャーナリストとしても活動し始め、平昌オリンピックでは現地取材も。88’sならではの目線で世の中を捉え、自分の信じる価値を発信していくことは、仕事の枠を超え、新たな時代の生き方になるのかもしれません。

丸山裕理

 

丸山 裕理(まるやまゆり)
東京都出身/フリーアナウンサー

ニュースは、識者やベテランだけのものじゃない。

どんな仕事をしていますか?

フリーアナウンサーとしてテレビやラジオ番組への出演、ショーの司会、VP(企業VTR)司会などを行っています。アナウンサーというと出演が大きな仕事だと思われがちですが、実際は生放送に向けた下準備や台本・台詞の暗記、インタビュー取材などに時間を多く費やしています。特に経済番組を担当して間もない頃は、株・為替についての金融用語や時事についての知識が足りないと感じ、休日に勉強会に参加するなどして知識の下地をつくっていました。正直仕事とプライベートの境がほぼない職業ですが、知らない分野を勉強することはとても楽しく、自身の視野が広がる良い経験となっています。

その仕事を選んだきっかけは?

高校生の頃に見た報道番組が大きなきっかけです。

幼い頃から引っ込み思案だった私は、朝の情報番組で見る明るく爽やかな女性アナウンサーに漠然とした憧れを持っていました。そうした憧れがはっきりとした目標に変わったのは、2006年に始まったある報道番組でした。

ちょうど大学への進路を考えていたとき、ふと目にしたその報道番組で、私より少し年上のキャスターの方々がいきいきとニュースを伝えていました。それまで報道番組というと、歳の離れたベテランの方が難しい時事問題を語るイメージがありましたが、その番組では、若い方々が韓国の軍事境界線や沖縄の基地問題など、国内・国外の情勢について等身大の言葉でリポートされていました。その姿がとても新鮮で、番組を見ていくうちに「ニュースは必ずしも識者やベテランが語ることだけが全てではない」ということに気づきました。そして、社会の一員として若い世代の疑問や思いを発信していくことに価値を感じ、私もそうした報道の現場に携わりたいと考えるようになりました。

不思議なもので、その気持ちは今も薄れることがありません。ときどき「これで良かったのか」と悩むこともありますが、何かに迷ったり、思い悩んだりしたときは、いつも気持ちはあの頃に立ち返ります。私にとってこの仕事を目指すきっかけになった大切な原点です。
丸山裕理

「多様性のスポーツ」、パラスポーツを追って。

仕事以外で力を注いでいることは?

3年前に番組の取材で「ブラインドサッカー(視覚障害者サッカー)」に出会ってから、パラスポーツの取材に力を入れています。出会った当時、健常者スポーツと変わらないスピードや迫力、また障害者スポーツならではのルールや応援の仕方など、純粋に競技としての面白さを知り、その魅力にはまっていきました。

しばらくはいち観客として車椅子バスケやウィルチェアラグビー、陸上、ボッチャなどを観戦していたのですが、1年前からはスポーツジャーナリストとしての取材活動も始め、この3月には平昌パラリンピックの現地取材に行かせていただきました。クロスカントリーでは新田佳浩選手の金メダル獲得の瞬間に立ち会い、メダリストの喜びの声を生で聞くことができました。また、世界には国の大小やメダルの色に関係なく素晴らしい能力を持った選手が数多くいることを知り、国際大会のスケールの大きさを感じた10日間でした。

パラスポーツに出会ってどんな変化がありましたか?

パラスポーツに出会い、私の世界は大きく広がりました。

国内では選手やコーチ、パラスポーツ協会の皆さんに出会え、競技やそれを支える方々の努力を知りました。平昌では世界中から集まったボランティアや記者、カメラマンと言葉を交わし、国際大会やスポーツ取材に取り組む姿勢を学びました。今はSNSという便利な手段があるため、その繋がりは益々強くなっています。パラスポーツを通じ、そうした同じ志を持つ皆さんと出会えたことがとても嬉しく、これからも取材を続けたいと思うモチベーションに繋がっています。

丸山裕理

そして、何より選手の皆さんからパワーをいただいています。「パラスポーツは多様性のスポーツだ」とよく言われますが、そう聞いて思い出す景色があります。

2012年のロンドンパラリンピックで車いすテニスに出場していたアメリカのニコラス・テーラー選手。テーラー選手は自分の力ではラケットを握ることが難しい重度障害を抱えていました。そうした中、試合でテーラー選手は、ラケットを左手に巻きつけ、サーブはなんと足を使ってボールを高く放り上げプレーをしていました。彼がテニスをすることが可能であると示してくれたことで、テニスを楽しめる人の範囲は大きく広がったのではないでしょうか。それはスポーツの世界だけでなく、私たちが暮らす一般社会にも当てはまることです。こうした多様性を社会で追求していくことが、2020年、成熟した国際都市・東京でパラリンピックが開催される価値なのではないかと思っています。開催国の一人として、様々な可能性を教えてくれたパラスポーツを今後も追いかけていきたいです。

これまでの常識がすべてじゃない。
自分の大切なものに、自信を持って進みたい。

幸せだと感じるのはどんなときですか?

友人との気のおけない時間です。

常に会えるわけではありませんが、たまにご飯を食べながら友人とゆっくり話せる時間が最近の幸せな時間です。特に6年間同じ時間を過ごした中高の友人は特別です。女子校ではあったものの、男子校並みに元気の良い活発な学校だったので笑、見た目以上に中身は男らしく、芯が強くなりました。社会に出た今も彼女たちの活躍が励みになりますし、今も昔も思いを共有できる戦友のような存在です。

信念やモットーなどはありますか?

 私たち88年世代は、生まれてまもなく「失われた20年」、受けた教育では「ゆとり世代」と揶揄され、社会に出るときはリーマンショックの「就職氷河期」と、何かと苦しい時代を過ごしてきました。

そんな年月を経て思うのは、これまでの常識が全てではないということです。大企業に入って安定した道を選んでも、自分の思い通りに行くとは限りません。それよりも、私はどんな場所に身を置いても志高く仕事ができる人間になりたいとずっと思っています。だからこそ、たとえ周りの人に「もったいないよ」と言われることであっても、自分が本当に価値を見出していることや大切にしていることにはきちんと自信を持ちたいと思っています。私にとってはそれが報道やパラスポーツという舞台でした。今はまだまだ発展途上ですが、いつか胸を張って第一線で仕事ができるよう精進したいです。

Q&A

趣味 一眼レフカメラ、海外旅行(世界の金融都市に関心があります)
特技 フィギュアスケート
資格 証券外務員一種・二種、障害者スポーツ指導員
好きな映画 RENT
好きな音楽 Seasons of love
好きな言葉 The show must go on.
好きなアーティストや著名人 松任谷由実さん(中高の大先輩で、憧れの女性です)
好きな休日の過ごし方 学生時代の友人との気の置けないティータイム
リフレッシュ方やストレス解消法 学生時代の友人や尊敬する方に話を聞いてもらうこと
時間とお金が膨大にあったらしたいこと 一眼レフを持って世界中を旅したいです
子供のころの夢 アナウンサー
座右の銘 目標は常に実力より高く
学生時代の活動 フィギュアスケートとミュージカルの練習に明け暮れました
直近の目標 20代最後を後悔なく過ごしたいです
人生で大切にしたいもの チャレンジ、礼儀、学び
理想の30代とは 仕事と家庭をしなやかに両立する女性

丸山 裕理
1988年12月13日生まれ。A型。
慶應義塾大学大学院卒。広告関連会社に勤務後、2013年よりフリーアナウンサーへ。
Jリーグサッカーリポーター、情報番組のお天気キャスター等を経て、TOKYO MX「WORLD MARKETZ」、BS12「マーケット・アナライズplus+」など多数の経済番組に出演。最近ではスポーツジャーナリストとしての活動を始め、2018年3月に行われた平昌パラリンピックでは現地取材班の一人として取材活動にあたった。趣味は海外旅行と一眼レフカメラ。

Twitter:Yurimaru1213
Instagram:yuri_maruyama1213

 

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