インタビュー

【丸山紗來】忘れかけた美容の夢を、つかんだ勇気。

「美容の仕事」と聞いて思い浮かんだものの少なさ、自分の見地の狭さに愕然としつつ。
エステティシャンでも、美容師でもなく、フリーランスの美容家として活動する丸山さん。学生時代はうまくいかないことを何かのせいにしていた、という彼女。「やらない後悔より、やって後悔」をモットーに、たくさんの決断と行動でつかんだその姿が美しいです。

丸山紗來丸山紗來(まるやま たえこ)
長野県出身/美容家

元公務員、フリーで美容の世界へ。

どんな仕事をしていますか?

美容のトータルアドバイザーとして、髪の先からつま先まで、外側からも内側からも綺麗になるお手伝いをしています。その場しのぎではなく本質から綺麗になるために、その方に寄り添い、悩みの本質に触れ、根本原因から見直して、悩みを解決したり理想を実現したりするアドバイスを心がけています。
具体的には、ヘアメイク、エステ、スキンケア指導、エイジングケア、肌質改善、ダイエット指導、アドバイザー養成、独立支援などです。

その仕事を選んだ理由は?

小さい頃から美容の仕事には興味がありましたが、親からは大学に行けと即座に反対され、忘れかけていた夢でした。高校では理系に進みましたが、それも何か違うように思い、大学では音楽を学びました。しかし、それもしっくりこずに、やりたいことを見失っていたときに思い出したのが美容です。

学生時代の私は、美容関係というと美容師さんかエステのお姉さんしか知りませんでした。そうなるためには美容学校を出て就職するしかない、けれどそれは自分の憧れる美容の仕事とはちょっと違う気がするし、大学を卒業してから入り直すのもな…と日々モヤモヤしていました。だけど、やらない後悔よりやる後悔、と考えるようになったときだったので、とりあえずやるだけやってみよう、知らないことが一番の壁だと思い、いろいろと調べて行動を開始。それをきっかけに沢山の人と出会い、今まで出会うことのなかった人との出会いで自分の世界観が変わったり、働き方の理想を考えるようになりました。

大学卒業後すぐは小学校の教員として就職していました。しかし、1つのジャンルにとらわれずにさまざまな角度からアプローチした美容を手掛けていくことや、雇われずにフリーランスでやっていくイメージができてきて、挑戦するなら早いほうがいい、先生をやるなら自分が自分に挑戦してからだと、1年で退職しました。もちろん教員もやりがいのある仕事でしたし、公務員という立場を捨ててフリーランスになるのはかなりの勇気がいりましたが、思い切ってよかったと思っています。
丸山紗來

やりがいは何ですか?

ヘアメイクをしても落としたら終わってしまうし、エステだけでは痩せないし。
また、1つが満足しても、他にもコンプレックスを抱えていたりします。
メイク施術中の雑談から私の他の活動を知ったお客さまが、メイクで隠そうとしていたシミを普段のスキンケアの見直しで改善できたり、ヘアセットに来たお客さまが人生をかけたダイエットをすることになったり。
何を試しても解決しなかった悩みが解決したときや、解決するんだと知ったときの喜びを共有できるのがすごく嬉しいです。自分に自信が持てて、笑顔がとても輝きます。

自分のあり方を見直せる、旅。

仕事以外で力を注いでいることは?

国内、海外問わずいろいろな場所に旅行に行くことです。
私は実家が自営業で両親は月に1日しか休みがなく、子供の頃は遠出の旅行といっても車で行ける範囲にしか行ったことがありませんでした。特に海外は怖いという勝手なイメージがあり、学生の頃も海外に行ってみたいとはあまり思っていませんでした。
転職し、独立してから初めて海外に行く機会があり、そのとき感じた自分の世界の小ささや、何かに拘束されず自由気ままでいることの開放感を、今でも覚えています。
また、それまでは長期休みにしか休めなかったので気づきませんでしたが、時期を選べれば値段もそれほど高いものではなく、いつでも休みが取れる環境になったこともあり、海外旅行は気構えるほど大掛かりなことではないと気づきました。

今は国内は毎月、海外は年に1、2回行くようになり、今まで全く興味のなかった旅行というものが、私の生活の中で必要不可欠なものになりました。
海外でも事業展開を考えているのでその市場調査、という名のただの旅行ですが、知らない土地で知らない文化に触れることで、今まで自分が当たり前だと思ったことが当たり前ではないことに気がつき、固定観念や既成概念が取り払われます。仕事のやり方や自分のあり方、生き方を見直す良い機会でもあると感じています。
丸山紗來

仕事とプライベートのバランスについて

仕事ありきの1ヶ月のスケジュールではなく、プライベートの中に仕事が組み込まれていくイメージでスケジュールを埋めていくのが理想です。空いたところがオフではなく、オフから決めていく。
サロンワークだけではないので、それ以外の仕事は旅先でもカフェでもできます。行ったことのないカフェで気分を変えて作業したり、海外からビデオ通話でやりとりしたり。旅先での出会いが仕事につながることもあります。

現在は、仕事とプライベートとを区別することなく、普段の生活での人とのつながりの中で出てくるニーズに対して、自分がしてあげられることがどんどん増えてきていること嬉しく、そしてそれが仕事になっていることをありがたいと感じています。
フリーランサー、ノマドワーカーと呼ばれるような働き方が注目されてきましたが、毎朝通勤ラッシュに揉まれながら出勤するのが当たり前という概念にとらわれず、自由なスタイルで働く人を増やしていきたい、そのきっかけになれたらと思っています。

やらない後悔より、やって後悔。

信念やモットーはありますか?

やった後悔ではなく、やらなかった後悔をしないこと。

学生の頃、自分の人生を振り返っては、あのときああしたらよかった、こうすればよかった、もっとこうだったらよかったのに、と思うことばかりでした。それを自分の性格、それが構築された親の影響のせいにしたり、環境のせいにしたり、人のせいにしていました。しかし、あるときなぜかふと、人や環境のせいにして、それを誰かに訴えたところでなーんにも変わらないということに気づいたんです。それなら自分の性格なんて自分で変えてやればいい、人のせいにしないで済むように、自分が後悔しないように生きてみよう、と思いました。ものすごく消極的だった私が、やらないでいるよりやってみてダメならダメだとチャレンジできるようになり、そこから人生が大きく変わっていきました。

今思えばやった後悔はありません。チャレンジしてきてよかったと思います。
丸山紗來

Q&A

趣味 寝ること
特技 ピアノ、箏
資格 幼小中高教員免許、JMAメイクアップ技術、IFB美肌カウンセラー、IFBボディメイクアドバイザー
好きな言葉 やらなかった後悔は大きくなる、やった後悔は小さくなる
好きな本やマンガ キングダム
リフレッシュ方やストレス解消法 好きなだけ寝る、半身浴、旅行
毎日必ずやっていること 美肌ケア
時間とお金が膨大にあったらしたいこと ノープランで世界旅行
直近の目標 毎月旅行オフと休暇オフを設ける
人生で大切にしたいもの 知る、直感、感謝

 

丸山紗來
1989年2月6日生まれ。A型。

2011年3月東京学芸大学教育学部卒業。
2011年4月東京都の小学校教諭として区立小学校に勤務。
2012年3月退職後、アルバイトをしながらも1年目から独立しフリーランスの道へ。

現在は、ヘアメイク(スチール、映像、ショー、講師)、フェイシャルエステ、痩身エステ、ボディメイクアドバイス、肌質改善、遺伝子美容アドバイス、フリーランサーサポートなど、美容全般のアドバイザーとして多岐にわたり活動中。

【作品】
CDジャケ写、短編映画5作品、長編映画2作品、web配信番組、ミュージックビデオ等

Instagram:kyon_chaaan

関連記事

  1. メロトゲニ

    インタビュー

    【演劇ユニット メロトゲニ】女子3人、三位一体で演劇界を開拓する。

    北海道出身の女性3人からなるユニット「メロトゲニ」。演劇を主体…

  2. 砂川浩人

    インタビュー

    【砂川浩人】好きなことを仕事に。だからこそ全力で。

    そこに仕事としての責任が生まれても、好きなことを好きである気持ちは忘れ…

  3. 渡辺舞

    インタビュー

    【渡辺舞】好きな場所で、好きな仕事をするために!

    「そんなに焦らなくてもどうにかなるし、周りと同じようにしなくても良いし…

  4. 出口景介

    インタビュー

    【出口景介】故郷を盛り上げたい、農家の野心。

    農家、非常勤講師、役者、さらに地域振興の活動家と、さまざま顔を持つ出口…

  5. Lili

    インタビュー

    【Lili】五感を満たして、ポジティブにいこう!

    ダンサーとして一流アーティストの輝きを支え、個人ではヨガとダンスを組み…

  6. 多田恭子

    インタビュー

    【多田恭子】「生きる権利を守りたい」 タンザニアを経て、学び続ける看護師。

    看護師として働きながら、母子保健の修士課程修得を目指す多田さん。すべて…

最近の記事

  1. 丸山紗來
  2. 88'spot イベント募集
  3. メロトゲニ
  4. 丸山裕理

アーカイブ

  1. 伊藤美砂子

    インタビュー

    【伊藤美砂子】純粋に、気持ちよく生きていく。
  2. 家泉美希

    インタビュー

    【家泉美希】「悪くなったら病院へ」のサイクルを断ち切りたい。
  3. メロトゲニ

    インタビュー

    【演劇ユニット メロトゲニ】女子3人、三位一体で演劇界を開拓する。
  4. インタビュー

    【佐々木みづほ】私の人生の責任は、私にしか取れない。
  5. 出口景介

    インタビュー

    【出口景介】故郷を盛り上げたい、農家の野心。
PAGE TOP